はかなくも、たくさんの人の心に残る仕事

 

週末、思い立って神山をドライブしてきました。

 

左右の道路に並ぶ桜並木は圧巻で、いつもは靜かな山里も絶好の花見日和とあってたくさんのクルマと人で大賑わい。

 

これほどたくさんの桜を植えて、育てて、町を春爛漫に輝かせるなんて、住民の方の熱意と行動力に脱帽しました。

 

神山町の鬼籠野地区には、住民の方がご自身のすだち畑にしだれ桜とレンギョウをこつこつ植え替えて、

 

一山丸々美しいしだれ桜に彩られた名所もあるそうです。

 

きっと、5年、10年の月日をかけて、いつか咲き誇る桜が多くの人の目を楽しませる日を夢見ながら、

 

土を掘り、苗を根付かせ、植える間隔を計り、手塩に掛けて育ててこられたのでしょう。

 

 

名を広く売り、モノを高く売り、お金をもっと稼ぐー。

 

資本主義社会では経済活動に貢献する仕事が高く評価されます。

 

しかし、こうして人知れず、対価を求めず、

 

ひたすら桜に彩られた町の姿、桜を愛でる人の笑顔を思い浮かべながら取り組む仕事は、

 

はかなくとも確かで、地に足が付いていて、とても素敵な「仕事」のありようだなと思いました。

 

ひとがその手で創り出すもののすばらしさは計り知れないし、

 

自分の身体をちゃんと使って生活をしている人への憧れは尽きません。

 

 


近江へー近江商人の真の姿を知るー


近江といえば「近江商人」。

現在もなおトヨタ、伊藤忠、高島屋、西川産業(ふとんの西川)など、

近江商人に起源をもつ老舗企業が経済界を牽引しています。



相方と二人、何も知らずに

「近江商人といえば歩いた後にペンペン草も生えない吝嗇家」と

大変失礼な決めつけをしていました。

近江商人の蔵

しかし今回、立ち寄った近江八幡で近江商人のお屋敷を眺め、

近江商人について考えをあらためました。



江戸時代にはすでに複式簿記を実践し、本拠は近江に置くけれど、

経済活動は全国、さらに海外にまで及んでいた近江商人。

需要と供給のバランスに商機を見いだし、人を大切にし、質素倹約をする商売手法は、

現在のボーナス制度などにも生かされているそう。

ただ、家業をつぶしかねないような跡取りであれば「押込隠居」といって、

強制的に隠居させるやり方がまかり通っていたらしく、

それもまた、今でいう企業のゴーイングコンサーンの秘訣だったのでしょう。



日牟禮八幡宮の入り口にあった近江商人の説明が書いてある立て看板を読んでいると、

なんだか、お昼に「招福楼」へ行ったのが身の程知らずだったような気もしてきましたが、

モノではなく経験を買いたいー

その経験を今後に生かすことこそ大切なんだと勝手に「川野訓」を打ち立てた次第です。

 

近江へー水郷めぐりー


近江を旅したふたつのめの目的は水郷めぐりでした。

今は亡き作家山本兼一さんの「火天の城」を読んで、

安土の地を眺めたいとずっと思っていたのです。


船頭さんの手こぎ船に乗り込んで、

網目のように入りくんだ水郷のヨシ原の間をゆったりとめぐります。

人工物がまったくない水郷の風景。

野鳥の鳴き声、風にそよぐヨシの音、たまに船頭さんの唄に耳を傾けながら、

目の前に広がる日本の原風景に身をゆだねていると、

はるか昔、戦国の世にタイムスリップしたかのような気分でした。

水郷めぐり

ブルースギタリスト濱口祐自さんライブ


那智勝浦で生まれ育ち独自のブルースギターを追求されている

ギタリスト濱口祐自さんのライブにいってきました。


エリックサティの「ジムノペディ」や「グノシエンヌ」も濱口さんが弾くと、

もの悲しくも繊細で、ろうそくが灯った石造りの地下室にいるかのような気分になれます。


のんびりした曲もいいのですが、やっぱり合間合間でいれてくるブルースが最高!

子どものように澄んだ瞳でギターを抱えている濱口さんの姿がとっても素敵でした。


「これは君が代のB面にしたいのー」とおっしゃっていた「椰子の実」。

誰もが知っている曲ですが、濱口さんのボーカルとともに聴いていると、

胸がジーンとしてしまいました。

『椰子の実』 
  名も知らぬ遠き島より 流れ寄る椰子の実一つ
   故郷の岸を離れて 汝(なれ)はそも波に幾月

  旧(もと)の木は生いや茂れる 枝はなお影をやなせる
   われもまた渚を枕 孤身(ひとりみ)の 浮寝の旅ぞ

  実をとりて胸にあつれば 新たなり流離の憂
   海の日の沈むを見れば 激(たぎ)り落つ異郷の涙

  思いやる八重の汐々 いずれの日にか故国(くに)に帰らん
 

西天満「ピ・グレコ」


西天満のイタリアン「ピ・グレコ」さんに行ってきました。


 流木にあしらった前菜
 濃厚な白子のグラタン
 新鮮な桜肉のタルタル
 鳴門カキと串本真珠貝、ズッパディペッシュ
 北海道日高ツブ貝と淡路ブリトロ炙り
 徳谷フルーツトマトの冷製カッペリーニ
 淡路鰆のソテー、一番のりのソース
 蕗のとうをまとったフォアグラロースト
 ラビオリ入りコンソメスープ仕立て
 蘭花茶
 ビュルゴー家の鴨のロースト
 デザート、カフェ


淡泊と濃厚、軽やかさと存在感、新鮮さと火入れの妙…。

メニューの組み立てがすばらしく、まるで幕の開いた舞台の中心にいるかのような気分で、

最後までおいしくいただくことができました。

一皿サーブされるごとに、背筋が凜と伸びるような気持ちになりますが、

マダムとの楽しいおしゃべりで、ついついリラックスして、テタンジェに始まり、ワインも杯が進みました。

次回、おうかがいするのが、待ち遠しいです。
 

ひさしぶりの高松

 
管理者hanakoです。

昨日はひさびさに高松の街へいってきました。

入手したいものがあったのですが近場では高松にしか店舗がないため、

わざわざ高速に乗って行ったのです。



そこで気づきました。

アレ、高松来たの、すごい久しぶり…。



思えば、高速1000円時代に突入後は、もっぱら関西へ。

その後は四国内でわざわざ行くといえば、もっぱら高知へ。



むかしは、高松といえば、ちょっとしたお出かけ先でしたよね。

時代の変化を感じた1日でした。


神通の滝

 
徳島から車で約1時間。

神山町の「神通の滝」にいってきました。





初夏の日差しに照らされて、とめどなく放出される滝の流れはきらきらとスパークリング!

まるで光のシャワーを浴びているような、気持ちの良さでした。


やっぱり楽しい高知!

 
週末、高知で1泊しました。


車で2時間、到着したのは夜の9時。

ホテルの部屋に荷物を置いて、すぐに直行したのは、「吟座於傳」。

翌日は土曜日だし、12時までやってるお店なので、心おきなく、日本酒メニューに手がのびます。




酔鯨のつるし斗瓶取り

獺祭

美丈夫 華

       などなど


写真のガラスサーバーで飲むと、一定の冷たさが香りを安定させてくれるので、おいしい。




鰹の塩たたき、清水サバのたたき、活ハギ肝あえ、

白子の天ぷら、タラの芽の天ぷら、湯葉(おでん)、

ウツボの唐揚げ、山芋そうめん



やっぱり正ちゃん最高です!


岡山と「ステキな金縛り」

 
管理者hanakoです。

研修参加の運転手を兼ねて岡山にいってきました。

岡山ってどこかつかみどころがない茫洋とした風情が漂っていると感じるのは

hanakoだけでしょうか?!

まずは岡山後楽園。



なだらかでおだやかな庭園はなんだかとても平和な雰囲気です。

温暖な気候は当時の作庭にも影響を与えていたのでしょうか…。



時間が有り余っていたため、映画館で三谷幸喜監督の「ステキな金縛り」を観ました。

相変わらずのおもしろさで、館内のその場に居合わせた皆さんと一緒に大笑いして、

楽しいひとときを過ごしました。



西田敏行さんが幽霊の「落ち武者」を演じているのですが、これは西田敏行さんしか演じられないし、

西田敏行さんがいるからこそ、単なるコメディーで終わっていない!

西田敏行さんがなめらかにメリハリのついた演技で「落ち武者」をやればやるほど、

ふかっちゃん(深津絵里)のいつもの「近視眼的なドジでずっこけだけど憎めない真っすぐな女の子」

というキャラクターが生きてくるから不思議です。



以前の「うぬぼれ刑事」でも福島弁で超自然体な演技を披露されていましたが、

宮藤官九郎さんとか三谷幸喜さんとか、人気脚本家が競って起用されているので、

これからもたくさんの作品で楽しませていただきたいと切に思いました。



岡山報告のつもりが、西田敏行さんのファン報告みたいになってしました。




シルヴィ・ギエムの「ボレロ」

 
管理者hanakoです。

先週末は西宮の兵庫県立芸術文化センターでシルヴィ・ギエムと東京バレエ団の公演を

観に行ってきました。


第一幕、東京バレエ団による「白の組曲」。

会場全体が自分の手のひらも見えないほどの漆黒の闇に包まれた後、

静かに幕が上がると、そこには、真っ白な衣装に身を包みポーズを決めたダンサーがずらり。

この世で人間が創造できうる極致のような「美しい世界」が広がっていて、心が一気に洗われます。


ギエムがソロで踊った「TWO」も圧巻でした。

真上からギエムを照らすライティング効果により、

ギエムの動きの残像がまるでストップモーションのように網膜に残り、

踊り手、照明、演出等、すべてが一つになった完成度の高い舞台芸術を堪能することができました。


そして最後はベジャール振付の「ボレロ」です。

2005年以降、日本での公演はベジャール追悼をのぞいて封印してきたギエム。

東日本大震災に心を痛め、日本を応援するために特別プログラムとして「ボレロ」を組んだそうです。


「ボレロ」は単一な律動の中からわき起こるエンパワメントなエネルギーが

最終的に壮大なパワーとなって会場を包み込みこむ、すばらしい舞台でした。

すべての人が顔を輝かせ、最後はスタンディングオベーションの嵐に…。


ギエムの踊りを観ていると、まるで自分自身の体内の細胞ひとつひとつが彼女の動きと呼応し、

新しく豊かなものに作りかえられているような、そんなリフレッシュする感覚に陥いります。

すばらしい芸術家、表現者と呼ばれる人たちは、自分の表現を通じて、

観るものの内面に、するりとコミットし、光を与えてくれるのだなと思いました。




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